「母さん、ごめん。〜50代独身男の介護奮闘記〜」読みました。

kindle本

50代独身男性による認知症の母親の看病について書かれた「母さん、ごめん。50代独身男の介護奮闘記」(著:松浦晋也)を読みました。

ノンフィクション系のライターさんが書かれたということで、淡々とした筆致で、すっと読めてすごく腑に落ちる内容でした。

実際に現在介護している人だけでなく、「介護の心構え」が出来る本を探している人にとってもオススメの本かと思います。

自分の親を介護しているイメージが湧く・・

実際に親御さんを介護されている知人友人、親戚の話を聞くことはこれまで幾度かありましたが、リアルな知り合いに面と向かって話を聞く時には聞きづらいような話ってあるんですよね。

あと、話し手の個性によっては親御さんとの関係が全面に語られる事も多いので、介護体験そのものの具体的な流れやディテールがぼやけてしまうこともあります。

あと、知人友人の場合、相手は話す事でストレス解消しているところもあるので、それを遮ってまで客観的な情報を得ようとはこちらも思っていませんし。

そんなわけで「なんとなく知ってるようで、でも具体的には分からなかったこと」が、この本を読んで、はっきりイメージできた様な気がしました。

また、最初は「負け戦」からはじまった著者の介護戦線が、いろんな助言や情報を得ることで、だんだんと建て直されていき、建て直ったと思ったら、お母様の病気の悪化で再び形勢が悪化する・・このせめぎ合いがなんとも言えませんでした。

親の異変を察知しつつも、認知症であるという考えを打ち消してしまい初動が遅れるというのも、介護の未体験者にとって、いかにもやってしまいそうなミスです。

他人事とは思えない・・途中からは、まるきり自分の親が認知症になった状況を想像しつつ読んでました。。

認知症の介護をしている人ならではの本音にハッとする

著者は以前にお父様をガンで亡くした経験から、代替医療に意味は見出せないと感じています。また、仕事柄もあるのか、代替治療に関する研究書籍や資料をもとに、その無意味さを十分読者に対して論理的に説明出来る知識を持っています。

そんな著者のもとに、善意で周囲の人たちが認知症予防のアイテムが次つぎ送られてくるのがいわゆる認知症アイテム。

ココナッツオイルとか、認知症予防にいいアロマとか。律儀にも、著者はそれらを苦労してお母様に食べさせたり、もらったアロマを焚いたりして・・そして嫌がられ、、「やっぱ意味ないや」と悟るくだりがあるのです。

これをよんでまず・・「やべ。自分も(予防アイテム送る側と)同じことやっちゃいそう、気をつけなきゃ」と思いました。

私、健康食品オタクなんですよね。。自営業なので「体が資本」と思ってるのと生来の性格で、目新しいものはなんでも試してみたくなるところがあり・・。

なので、このブログでもいろいろ試して紹介しちゃってますが(笑)・・・人に押し付けちゃいけないっていうのは肝に銘じないとだめですね。。

サプリやアロマがいいと介護する人が思えば買えばいいのであって、状況をよく知らない人間が押し付けるべきではない・・もっともだと思いました。

「認知症の本人よりむしろ、介護する人に対して何か支援ができるかを考えて欲しい」という著者の訴え、本当にそうですよね。

そして、中盤からお母様病状悪化から一連の展開は、結末はある程度想像がつくはずなのに・・・読んでいてこちらまでハラハラするものでした。

この辺りの筆致、当時の緊迫感が伝わって来るようでした。

自分が今できることは何か?

この本が一般的な介護体験記と違うのは、著者のパーソナルな介護体験だけを語って終わりではない点。

著者は今後日本社会が持続していくための健康寿命に対する考え方とか、予防医学をどう考えればいいかといったことにも言及し、著者なりの提言もなされています。

自身の体験をもとに語られているので、読んでいて説得力があります。

感想まとめ

最後の方ではお母様の若い頃のお話や著者にとって介護の息抜きになったものなどが語られているおまけの章があります。

それを読むことで、「あ、そうか。これ、他人の体験談だったな」とちょっとクールダウンできました。

「淡々として読みやすかった」と書きましたが、書かれたご本人はしんどい記憶を辿ってこういった読みやすい形にしてくださったはずです。

「お疲れさま」と言いたくなりました。

とりあえず、今すぐ私が実践できることといえばこれかな。

・・・(略)自分自身が親の介護をしていなくとも、もしも短い介護の真っ最中の人がいるなら、願わくば仕事そのほかで余計な負担がかからないように、ほんの少しでいいので気遣いしてもらえないだろうか。(「母さん、ごめん。」より引用)

あと、前述した「介護している人に認知症サプリやアロマを良かれと思ってプレゼントしない事」も気をつけたいなと思います・・。

というわけで、「母さん、ごめん。50代独身男の介護奮闘記」は

  • 介護について知りたい
  • 今介護をしていて、ほかの人がどんな感じなのか知りたい
  • 独身で親を介護している人の体験談をよみたい

といった方におすすめしたい本でした。

ABOUTこの記事をかいた人

老後を考え始めたアラフィフ。 IT企業勤務を経て、コンテンツ制作・ライターなど自営業歴20年。 自営業の夫と都内で二人暮らし。超高齢化社会を楽しく快適に暮らすためのサービスや商品に興味があります。